外国送金に関わる手数料のお話

外国送金に関わる手数料が複雑で分かりにくいと思っている人は多いと思います。特に銀行を利用する場合、発生する手数料のすべてが事前に明らかになっていないためそれは当然ともいえます。今回は外国送金に関わる手数料について詳しくお話します。なお、送金を行う国より事情が異なるため、オーストラリアと日本間の送金に絞って話を進めます。また、最近では外国送金は銀行だけでなく、外国送金を専門に行う事業会社(資金移動業者)によっても行われているので、これらを分けてぞれぞれについて説明します。


銀行

日本とオーストラリアでは銀行事情が異なるため、日本からオーストラリアに送金するかオーストラリアから日本に送金するかにより発生する手数料も異なります。二つのパターンに分けて見てみましょう。

■オーストラリアから日本への送金

為替手数料

皆さんが銀行で目にする為替レートには手数料が含まれています。ネットやニュースでよく目にするレートは市場レート(銀行間取引レート)と言われるもので、金融機関の間で大量の外貨取引を行う際に適用されるレートです。これに為替手数料を加えたものが銀行の送金レート(対顧客電信レート)になります。例えば、市場レートが1ドル=95円の時、銀行が市場から100万円を調達するには10,526ドルの支払いが必要です。銀行がこの100万円を顧客に94円で売ると、銀行は顧客から10,638ドルの支払いを受けます。この差額の112ドルが為替手数料ということになります。為替手数料は1ドルにつき1円のように定額あるいは市場レートの1%のように定率で定められています。上記の例では1ドルあたり1円が為替手数料ということになります。1%に定めているのであれば、1ドルあたり0.95 円が為替手数料になります。ちなみに、オーストラリアの大手銀行では1ドルにつき4円ほど徴収しています。(円に両替しないで)豪ドルのまま日本に送金する場合は、当然この手数料は発生しません。

送金手数料

為替手数料に加えて、送金する金額にかかわらず定額の送金手数料が徴収されます。通常、銀行窓口で手続きを行う場合は30ドル位、オンラインバンキングの場合は10ドル位です。

中継銀行手数料

外国に送金する場合、送金元の銀行と送金先の銀行の間で中継銀行が送金の橋渡しを行います。この中継銀行が手数料を徴収する場合があります。この手数料が銀行手数料の不透明さの原因となっており、徴収されるかどうか、また徴収される場合その金額がいくらになるか事前に明らかにされていません。

被仕向手数料

日本の銀行では、海外からの送金の受け取り時に手数料を徴収します。送金先の口座に入金される前にこの手数料が差し引かれます。金額は1,500円から2,500円位です。

円為替手数料(リフティングチャージ)

オーストラリアの銀行で円に両替してから送金した場合に日本の銀行で発生する手数料です。送金先の口座に入金される前にこの手数料が差し引かれます。金額は、多くの銀行で2,500円(ただし、500万円を超えると金額の0.05%)に設定されています。

■日本からオーストラリア

為替手数料

レートに含まれている手数料です。詳細については、上記の「オーストラリアから日本」を参照してください。多くの日本の銀行では、1ドルにつき2円から4円くらいの為替手数料を徴収しています

送金手数料

オンラインの場合は3,500円ほど、銀行窓口の場合は、7,500円から8,500円ほどの手数料が徴収されます。

円為替手数料(リフティングチャージ)

多くの日本の銀行では、送金先の国の通貨に転換しないで日本円のままで外国の銀行に送金する場合この手数料を徴収します。多くの銀行で2,500円(ただし、500万円を超えると金額の0.05%)に設定しています。

外国銀行手数料(支払銀行手数料)

送金先の銀行および中継銀行で発生する手数料で、依頼人負担受取人負担という二通りの支払い方法があります。依頼人負担を選択すると、日本の銀行であらかじめこの手数料を支払うことになります。受取人負担を選択すると、オーストラリアの銀行にお金が届いた時点でその銀行が送金額からこの手数料を差し引きます。依頼人負担の場合、多くの銀行で2,500円の支払いを要求されますが、受取人負担の場合は、差し引かれる金額は通常10~15ドル位となります。したがって、受取人負担にしたほうが手数料を節約できることがあります。相手に満額が届くように送金したい場合にかぎり依頼人負担を選択するのがよいでしょう。ただし、外国銀行手数料を依頼人負担で支払った金額以上の手数料が中継銀行や送金先の銀行で発生した場合は、送金元の銀行から超過分を事後に請求されることがあります。


資金移動業者

業者により手数料の仕組みは異なりますが、概ね以下3つのパターンになります。

為替手数料ゼロ+送金手数料

為替手数料をゼロにして市場レートで両替する代わりに、送金手数料を定額ではなく定率にすることで金額が大きくなると料金が増える仕組みにしています。多くの人はレートにばかり注意が行きがちですが、レートが良くても送金手数料が高くなるケースがあるためコスト全体に注目しましょう。

為替手数料+送金手数料

銀行同様に為替手数料と送金手数料の両方を徴収する場合は、どちらの手数料も比較的低く設定されています。送金会社の大半がこの方式を採用しています。

為替手数料+送金手数料ゼロ

送金手数料を徴収しないかわりに、為替手数料を高くしている場合があるため、為替手数料ゼロのケース同様、コスト全体で比較することが大切です。

銀行手数料

資金移動業者が銀行の国際的なネットワーク(SWIFT)を利用して送金をしている場合、業者の手数料以外に上記で紹介した銀行による手数料の一部が発生します。通常、オーストラリアから日本に送金する場合は、中継銀行手数料、被仕向手数料、円為替手数料、日本からオーストラリアに送金する場合は、外国銀行手数料が発生します(どちらの場合も送金先の銀行によって発生する手数料は異なります。)。これらの手数料はウェブサイトで明示されていないこともあるため注意が必要です。資金移動業者によっては、日本に現地口座を持っている、あるいは現地口座を持っている他の送金会社と提携している場合があります。その場合は、国内振込扱いとなるためこれらの手数料は発生しません

外国送金に関わる手数料を詳しく見てみると、日本の銀行では外国送金に関わる手数料がかなり高いことが分かります。もともと外国の銀行と比較して送金手数料は高かったのですが、特に店舗窓口で取り扱われる場合は近年さらに高くなりました。これは、店舗の手数料を高くしオンラインを安くすることでオンラインの利用を促し店舗や人員を削減したいという銀行の事情やマネーロンダリング対策にかかる費用負担増加の問題が背景にあると思われます。

さて、First Eastern FXの送金サービスは、為替手数料は銀行よりもはるかに格安となっており、送金手数料は10ドル(2万ドル以上は無料)のみです。日本からオーストラリアはもちろん、日本からの送金にも対応しており、通常1営業日から2営業日で送金が完結します。外国送金業界での経験が16年以上ある日本人ディーラーがお客様の送金に関する不安やお悩みにお応えしております。

山田 悟
オーストラリアへ移住して以来、一貫して外国為替業務に従事。在豪邦人コミュニティーではよく知られた金融機関で16年間、日本部門の責任者およびカスタマーディーラーとして多くの在豪邦人の個人・法人顧客の外国送金や外貨両替を支援。2022年からFirst Eastern FX日本デスクのカスタマーディーラーを担当。趣味はプログラミング、レコード鑑賞、ベースを弾くこと。
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